虐待サバイバー支援に取り組んだ約2年間の総まとめ前編【2021/12~2022/12】

児童虐待
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お久しぶりです!このブログを立ち上げたのが2022年1月ですが、その直前・2021年12月から今までずっと「虐待サバイバー支援」を目指して動いてきました。紆余曲折あり一旦本活動は終了となってしまったのですが、その経緯を公表できる範囲でまとめた記事を作成しました。

本記事は前編として、活動開始から1年間の経緯をまとめています。

2021年12月

【活動】

  • 児童虐待を受けた18歳から20代くらいの若者の自立支援の希薄さ(特に、児童福祉に繋がれず自力でサバイブしてきた人には支援は皆無)という課題に対し、メンタルケアと就労支援を兼ね備えた居住支援が必要だと考えついた
  • 上記アイディアをスライドなどに表現して、社内の先輩やTwitter(現X)上の仲間に見せ、アドバイスをもらう
  • 他社で性犯罪被害者のための社内新規事業に取り組んでいる女性のヒアリングに参加したことで、彼女の上司である男性(以降Mさん)と知り合う。「新規事業に興味あったら相談のるよ~」と言ってくれたので本当に連絡を取り、zoomで上記のスライドを見せて説明

【成果物】

  • メンタルケア×就労支援つき居住支援の草案スライド

2022年1月-2022年6月

【活動】

  • 毎週末にMさんと定例会議を設定し、アイディアを実現可能なものにブラッシュアップしていく活動を半年継続。ここで新規事業づくりのイロハを学ぶ
  • Mさんから「当事者の声を反映させるためにヒアリングをするべき」とアドバイスを受け、Twitterの相互さんの中で協力してくださる方を見つけ、サバイバーだからこその困りごとをテキストベースでヒアリング
  • 7月にCHANGEというアクセラレータープログラム(3ヵ月のプログラム)があることをMさんから紹介され、応募資料(事業計画書と自己紹介動画)を作成 ※この期まで参加無料でしたが、2023年から有料化しています

スタートアップや一般企業内の新規事業部門に対し、アクセラレーターが支援を行うことにより共創・協業を目指すプログラムを「アクセラレータープログラム」と呼びます。
(中略)
アクセラレータープログラムを活用することで、スタートアップやベンチャー企業にとっては、支援者が持つリソースやノウハウを得て、アイデアを形にして世の中に送り出せるメリットがあります。

https://sony-startup-acceleration-program.com/article462.html#header2
  • 社内で、自分が所属する事業部の長に対して「こういう事業をやりたいと思っている」と説明
  • 社内で、経産省の「出向企業」という制度を使わないか、総務部を巻き込んで提案
  • 母子向けの居住支援NPOの代表に連絡を取り、zoomで自分の事業計画を説明し、アドバイスをもらう

【成果物】

  • CHANGEの応募資料

2022年7月-9月

活動】

  • CHANGEの選考を通過したため、CHANGE3期生として毎週末活動。やはり当事者や関係者にヒアリングすることが大切だと学ぶ(というか、ほぼ宿題としてヒアリングが必須でした)
  • TV放送局の記者にバイネームで手紙を書いてお話を取り付け、住んでいる都道府県の議会の女性議員にも事業計画を説明
  • 若年女性支援のNPO代表や、出身地で若年女性支援事業を担当している課にもヒアリングを依頼。しかしこちらは断られ断念 ※ここに関してはかなり悔しい思いをし号泣したのでクローズドなSNSでは詳細に愚痴らせてもらいました。。。
  • 新規事業のイロハとして、どうしても取り組む課題を1つに絞り込まなくてはいけなく、「メンタルケア」「居住支援」「就労支援」の中でまずメンタルケアに集中して取り組むことを決定。その結果、事業計画の内容が変わり(=「ピボット」)、新しい事業計画書を作成し始める

ピボット(英語:Pivot)とは、企業経営における「方向転換」や「路線変更」を意味する言葉です。 特にスタートアップにおいて、ピボットは「アイデアの特定部分(ビジョン)を軸足として、それ以外の部分を変更すること」をさします。

https://www.utokyo-ipc.co.jp/column/pivot/#:~:text=%E3%83%94%E3%83%9C%E3%83%83%E3%83%88%EF%BC%88%E8%8B%B1%E8%AA%9E%EF%BC%9APivot%EF%BC%89%E3%81%A8,%E3%81%93%E3%81%A8%E3%80%8D%E3%82%92%E3%81%95%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
  • 10月から経済産業省の「始動 Next Innovator」(3ヵ月のプログラム)が始めるため、応募準備
  • メンタルケアに焦点を当てるため、自分の担当心理士にお勧めの本を聞き、心理学(トラウマケア分野)の勉強をし始める

【成果物】

  • ピボット後の事業計画書
  • 始動の応募資料

【心境の変化】

  • サバイバーを少しでも支援できるのであれば、自分が今の会社に所属しているのか、独立するのか、どんな形態でも構わないと考えていた(それは本記事を書いている2023年10月現在でもそう思っている)。しかしこの頃、若年女性支援団体の不正会計をめぐる問題が起こり、このような情勢の中で自分のやりたいことは実現できないのではないかと考えるようになってきていた

2022年10月-12月

【活動】

  • 始動の選考選考を通過したため、始動8期生として毎週末活動
  • 社内新規事業の制度が立ち上がり、第1期生の募集開始。始動の内容で応募し、社内で最初の新規事業担当者(イントレプレナー)となる

IT企業に勤めているため、社内新規事業=ITを活用したもの、という制約があります。この時点でITを使ったメンタルケアに限定されることになりました。また、10月までの業務時間外を使った私的な活動とは異なり、11月からのイントレプレナーとしての活動は「業務」でした。
もちろん始動などの土日や夜間の活動は私的なものです。

イントレプレナーとしての活動の詳細や成果物は会社のものなので、残念ながら詳細を公にすることが出来ません。ご了承ください。

  • 同じく、児童虐待や性被害のサバイバーに向けたスタートアップとしてチャレンジしている同年代の方々に声をかけて対面でお話をさせてもらう
  • 第28回日本子ども虐待防止学会 に参加 ※こめるちゃん🐔はペットシッターさんを利用

【成果物】

  • 始動でのピッチ
  • 始動提出用の事業計画書
  • 広報用SNSアカウント作成、運用

状況】

  • イントレプレナーとなったことで売り上げを作らない人間、好きなことをやらせてもらって給料を得る人間となった。そのため自主的に残業をしないように自分に制限をかけ、所得が減る。

前編の振り返り

ここまで、土日をずっと新規事業に関わる活動(プログラム内外での勉強/ヒアリングなど実践フェーズ)に費やしており、 休日の外出は本当に食料品の買い物と歯医者に行くくらいしかありませんでした。

また始動では某メンターから、メンタルケアが必要な人のことを「内因性の障碍者となんて誰も働きたくないよねw いや、だってそうでしょ?w」などと言われ、11月以降のわたしは鬱に悩まされることになります。また、この差別発言を始動事務局にも数度報告しましたが、一切の返事がありませんでした(なので、メンタルヘルス分野で始動に応募しようと考えている人はちょっと気を付けてね…と思っています)。鬱の発症を自覚したのは始動がおわった直後の2023年1月からなので、後編の記事はその内容から始まります。。。

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いやいや内因性じゃなくて、カミングアウトをしてるメンティーに対面zoomで笑いながらそんなこと言えちゃう高齢男性こそが外因であり、ストレス関連障害につながる被害者を増やしまくっているんだよなぁ。この人はこんなに偉くなるまでにどれだけの被害者をうんできたんだろうか。

メンターの中にはわたしと似た境遇で育ったという若い男性(とはいえ年上)もいて、本当に協力的にメンタリングをしてくださったよ。

そもそものメンターの女男比も課題だね。

鬱の話をして暗い終わり方になりましたが、後編フェーズに入ってからめちゃくちゃトラウマケアの知識がついて、このような支配的な人・加害してくる人について、以前より凹まなくなりました。
知識が無いから、恥ずかしい言動だとも分からずにそうしている人がおそらく大半なんです。
知識をもったうえで意図的に他人を傷つけようとしている少数派についても、彼らを強く非難する有識者の見解も知れたので、「あぁ、心理の〇〇先生が△△って非難してたタイプの奴やわぁ」と心から思えるようになり、救われています。世の中にはあったかい心と知識を兼ね備えた専門家も居るものだ。

後半ではそのように、得られたものの話もしていくので、「事業が実現できませんでした」だけでは終わりません。挑戦した人間しか手に出来ない、経験という財産も含めて、まとめていきたいと思います!お読みいただきありがとうございました。